いつも同じようにはなかなかいかないから面白い

家を作ることは、自分たちの場合はワンオフの場合が多い。いや、毎度毎度打ち合わせを重ねる限り常にそうなっちゃうのです。おおきな買い物だからこそ、せっかくだからより合うものをと思えばこそ。

同じ施工例の写真を見て「この雰囲気の住まいが良い!」というイメージが同じとしても、立地や住む人、その住まい方や細かな趣味嗜好などのたくさんの条件全てが一致するということはまずないからだ。もちろんこちらからの一択の選択肢で進めていくのであれば全くの同じ家を形づくることは可能なのだけれども、新築、リフォームに限らず、そういう家づくりを自分たちはしていないし、やはりなかなかそうならないのが家づくりをなのだと思っている。

職業柄メモを取るのと同じような感覚で、目の前のことをすぐに写真に撮って記録しておくことが多い。完成してから見える部分はいくらでも確認ができるけど、綺麗な仕上げ材に覆われてしまった後の中身は後で「どうだったかな?」って思っても容易に確認できなくなってしまうから。なので、カメラはいつも持ち歩いている。これはもう癖と言っていいかも。

で、その中にちょいちょい空の写真が紛れ込んでいる。これもまあ癖といえば癖かもしれないが、あーきれいだなと思った時にすぐに撮りたくなる。ので、後から見たらなんの写真だったっけ?といのも少なくない。

 

とはいえそんな中でもダントツに空の写真が多く残っていて、1年すると結構な枚数の空が溜まっている。そして同じ空なのにいろんな空があって面白い。鳥海山のきれいな空や作業場から見える夕焼け。同じ場所でとっていたり似ている雲が写ってはいるものの、不思議なくらい同じものなどない。

それくらい家も同じで、住む人と住む場所が違うのだから同じ家などないのだ。と思う。さらにいえば作り手(職人さん)の意識も違えば同じ図面でもちょっとづつ違うこともある。

なので毎回毎回悩むし、毎度毎度打ち合わせを繰り返して良し悪しを確認する。「プロにお任せ」なんて言われたってやはり,住む人使う人のことを考えちゃうので、いつも同じじゃないので、いつもおなじようなこと考えてしまうのです。

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