リフォーム事件簿1804

事件はやっぱり現場で起こりました。

浴室周りの下地がズタボロになってて、もちろんお客さまにも確認していただいて。もちろんある程度は想像しておりましたが、ココまで隠蔽部分がズブズブだと、ある程度のリミットを抱えている今。

健全部を探す時間がもったいないので交換せざるを得ないのです。

迫りくるユニットバスの設置日と、どこまで気持ちよく治療を施すか?
そこに予算を費やす余裕はあるのか?
考えてる時間はあるのか!

 

と、まさに刻々と変化する雲のような状況で、現場では常に良い方向への選択を探るための妄想会議と、後悔したくない選択肢を決める判断が繰り広げられてるのです。

まさに。これ。

とはいえ待ったなしでお客さまはそこに住んでいるわけで、自宅の風呂をあきらめての温泉通い。こちらとしても、早くおばあちゃんにゆっくり風呂に入ってもらわねばなりますまい。と、焦るわけです。

「どうす?」

「なんか気持ち悪いよな〜」

「だよな。。。調整でなんとかなると思う?」

「日暮れるな。」

「だよな。。。手間かかりすぎるよな。。。」

「新しい材料にしちゃおうか?」

「いい選択だと思うよ」

「でもな。。。」

「今日、寝れなくなるよ〜 笑」

「だよな。。。ねじれ過ぎだもんな。。。」

「換えたら、不安要素は消えるで。」

「だよな。。。もうあそこなんて柱浮いてるもんな。。。」

「。。。。ヨシ!全部ばらしちゃお!交換だ。」

 

そんなドラマが繰り広げられていることを、ぼくは知っているのです

もう、思考回路が逼迫しそうで、せっかく計画したものが全然現場じゃ通用しなくて。セオリーから外れた駒の指し手を繰り広げる相手を前に、時には戦法を思い出し、時には戦法を編み出し、時にはまずはその駒を受け入れ。

 

「おっと!そうきたか」

「まてよ?これでいいのか?どう思う?」

「それは直そう。でも下手に治すとこっちが具合いわるくない?」

「こうしちゃうっていう方法もありだと思わない?」

「なるほど、そういう逃げ方もあるな!さすが!」

でも無常にもカウントダウンは刻々と。

っていうのがリフォームだったりするので鍛えられるのです。
マニュアルなんて通じないし、良くしようと思うと思い通りにやれないので面倒なことばかりの連続なのは知ってるんです。経験で。でも、そもそもこの経験がこの先ずっと役立つわけでもないのも分かるんです。新築じゃ絶対やらないなって。とはいえこの経験が無駄になることはない。必ず良い判断の材料になるのです。本当に困った時は、経験で知ってる良い方法が安全だって。

 

で。先日。

ココまで来ると一安心。ありがとうございます。彼らもいつもの状況とは違う対応の中でなんとか納めてくれました。

あとはこちらの、戦法通りに駒を進めるのみ。変更に対する準備不足はやる気と経験値でカバー!

 

本当におもいます。
リフォームはリフォームなりに、新築は新築なりに、大も小も関係なく、一気にすっごいエネルギーが、集中するんです。建築現場って。

 

きれいな現場は、仕事もしやすいし、気持ちがいいもんです。帰宅したお客さまの

「おお〜家っぽくなった〜」

ってのが、たまらなくうれしいんです。

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