旧山田屋旅館 | 外観修理 | 蔵のまち増田

昨年から行っていた外観修理事業が、先月2019年1月末に無事終わりました。


横手市増田町にある、旧山田屋旅館。当時の反映をそのまま残している内蔵が点在する中七日町通りから、増田郵便局方面に入ったところ。道路が今のように整備される以前は堀に囲まれ、塗壁が立派な旅館だったそうです。
今回は、重要伝統的建造物群保存地区に指定された増田町の景観の修復事業の一環として行われたこの工事。私たちは施工を担当させていただきました。

文化庁が関わる修理事業であり、スタンスとしてはちょっと大げさかもしれないけど、奈良や京都の町並み修復工事と同じようなことです。なので、思い通りに治すわけにも行かず、「めざす当時への復元」という目的へ寄せていく事業の難しさを勉強させていただきました。

計画にはない窓が解体時に発見されたり、解体しながら当時の面影を推測し、判定し、それに寄せていくのです。

工事の段取りも、それに合わせて右往左往。オーナーさまの意向も組みつつ、設計思想と町としての全体像へ向かうそれぞれのベクトルをみんなで寄せていく。

とはいえ、古い建物を見ることにはとも手もおもしろい気付きや発見などもあり、不確かな資料だけでは判別しづらかった増築時期などを、躯体から読み取るということも。
下地無向こうに見える当時の新聞の切れ端に、一同歓声を上げ、「なるほど!」と写真におさめたりという、まるで探偵が推理するテレビドラマのようなシーンもありました。

 

寒い中現場を管理してくれた大工さん、施工時の猛烈な吹雪のなかでの養生に右往左往された職人さん、工事中ご迷惑をおかけした近隣の皆様、その都度設計変更や現場対応に追われヒーヒー言っていた設計士さん、ありがとうございました。

そして、オーナーさんのお店「囲蕗李(いろり)」がリニューアルオープンです。
お団子が食べれるアットホームな和喫茶のお店です。ぜひぜひ足をお運びください^ ^

囲蕗李FBページ https://www.facebook.com/irori0518/

増田町が足並みをそろえ、今後共、よりよく整っていくことを願っています

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