妄想してしまう木目

今年もやっぱりまた加工場の隅っこに戻った杉。

図面に指定されている材種。普段手に入りやすい材をよく使うことが地域性が出るから良いかなと思って、杉を使うことが多い。予算優先の場合は材のストック具合にもよるが、外材になる。わざわざ燃料を消費して地球のあっちからやってきた材料のほうが安いというのもなんだか変な気もするけどそういう現実。

で、年末の大掃除絡みも重なり、先日。せっかくだから使おうかと久々に見た杉の木目。多分毎年見ては、なんだか今じゃないな。って気がして毎年「じゃあまた今度ね」と奥に隅っこに。

きっといつか来るのだろうけど、そのときは。

材を見る。適材適所。大工さんとして現場に立つこともあるとき、思うんです。

 

「これでよかったかな?」

 

きっと周りから見たら、「おい、うごけ!」って言われちゃいそうだけど、きっとしばらくフリーズしている時間があって、なんだか思うんです。

「あーいまこの木の命いただいている。間違ってたら申し訳ないな」

って、無性に思うときが。

 

 

で、先日もそういう時があって、「今すぐ手に入れられるベストって本当にいまなのか?」という疑問に答えが出なくて、「良いなって思ったけど答えが出なかった」から「きっと今はそういうときではないのかな」って。

 

ただそういうときもあるっていう話なんです 笑
緊張しちゃうんです
「どう生きていたのかこの木目」

 

 

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