雪の重みで軒先が折れる

まさにタイトル通りで、雪の重みで屋根の軒先がある日突然バキンと折れてしまうのです。

その対策工事として、軒先垂木を若干太くし、垂木ピッチを今までより細かく。
ひとまずの復旧ではなく、今できる範囲で、折れづらくするようにする工事の様子です。

ドカ雪の経験のない方にはなんのことやらと思われる方もいらっしゃるかもしれません。横手の雪は、ふわふわの軽やかな雪の日もありますが、日本海側からの湿ったどっしりとした雪が一晩で一気に腰ほど積もる日もあります。2020年の12月〜2021年の2月頃までは、ほんとにその繰り返しでした。屋根に積もった雪は、多少の屋根面の温度の上昇で溶けて滑り落ちますが、外気温が低すぎるとそれが氷となりしっかり屋根面にグリップしてしまい滑りません。そして更に雪がつもり、積雪荷重が増します。

おまけにキンキンに冷える日と、気温が緩み1月なのに雪ではなく雨が降る日が繰り返す。ということも何度かありました。雨が降ると、積もった雪が水分を吸い、更に重くなるのは想像しやすいことです。。。

軒先の垂木はどうしても跳ね出し構造。物理の教科書的には、片持ち梁状態です。テコの原理を思い出しても、支点部分にかなりの重みがのしかかります。

数十年くらい前までの、横手での一般的な垂木断面寸法(まちまちかもしれませんが、、)は、45×60もしくは53×53を尺五寸(455mm)ピッチだったようです。ほったらかしておくと、これでもおれます。

なので、雪下ろしが必要になってきます。折れることを経験値で知っているお年寄りの人は、ほんとに頻繁に雪下ろしをしています。か、業者に依頼します。でも、日中仕事がある世代は自分が休日になったら頑張ろうという意欲があるので、平日は折れないことを祈るばかりです。

なので、屋根の垂木は雨や屋根構造の荷重を支えれればよいだけではなく、この地域では突発的な雪の重みにもある程度耐えれるようにしておくほうがいい用に思います。ただ、どの程度まで太くする、ピッチを細かくすると、100%OKなのかはよくわかりません。苦笑

少なくとも、今岩村建匠で推奨しているのは45×105@455ピッチもしくは45×120@455ピッチ。軒先を180cmも伸ばすような場合はまた別です。

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ひとまずこの写真の屋根は、解体してみたら45×53断面でしたので、60×60にサイズアップ。ピッチは 455mmを 455/2mmに。今までの2倍の本数の垂木で軒先の荷重に耐えます。本当は垂木をもっと太くしたかったですけど、既存の屋根の形状に合わせるないといけないという縛りがあるので、こうなりました。

何が言いたいかというと、頻繁に雪下ろしをして軒先の損傷を防ぐか、軒先垂木を太くして軒先の損傷を防ぐ。軒先を太くできない条件なのであればせめて軒先垂木のピッチを細かくすることで対策を講じる。雪国に住むのって大変(苦笑)

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ちなみ我が家の場合。屋根部分の断熱厚さを稼ぐ事もあって垂木寸法は38×235mm@455mmピッチ。軒先のみ一回雪下ろしをしましたが、放ったらかしで2021年シーズンのとんでもなドカ雪を耐えました。

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