ゆざわのリフォームも大詰め
現場では内装材の施工中。色味のグラデーションが素敵。
リフォームは新築工事と異なり、打ち合わせ時の図面との再現性がまさにアンニュイな感じに出来上がることもあります。
理由は、全く解体してゼロリセットする場合を除き、「今あるもの」を利用したりすることによる間取りや納まりの制限、それをクリアするために発生してくる工事費の増減、更にそれをクリアするために変更になる初期案の変更。。。さらにさらに言うと、ある程度どんとかまえて予想を加味してはいるものの、「えっそこ!」みたいな「想定外」はあるもので、経年劣化による腐食や、建築時や改修時のミスや苦心の修繕の痕跡をいかに今後の延命につなげるかなどなどなど。それを時にはうまく利用し、時には勇気を振り絞って摘出し。と、想定手術時間を遥かに上回るオペと、向かうべく設定したゴール地点の変更が、、、云々
もちろんぼくらの場合は、常にお客さまありきで工事を勧めていくので、打合せもいちいち面倒かと思いますが、不意の発覚→ご相談、変更案の新しいアイディアの発見→ご相談、良いも悪いもを見てきた経験をもとに出た選択肢を提示し、常に決定権は住まう方にあります。そういう意味では、ぼくらの仕事は”くろこ側”であるのかなと。
このダウンジャケット、表面張り替えたらきれいになるんですけど、穴の空いた裏地から直さないと羽が飛び出してきちゃいますから、直しちゃっていいですか?一回全部糸抜いて作り直したいですが、だめなら裏当てして延命しましょうか?みたいに。
ストックをうまく利用し長く住まう。
といえば響きもいいのですが、苦肉の策なども交えながら適時進路変更を行い、やっと近づいてきたゴールも残りわずかとなると、ここの現場に限らずそうなのですが、お客さまも
「いやーそろそろ静かになるなーこの家も」
「すいません、長々と」
「いやいや、なんだかやってない自分も工事してる気になっててよ」
「もちろん、ご用命あればあちらも進めますよ 笑」
「その時は頼むよ。相談乗ってちょうだい」
最後には嬉しいお言葉を。
新しい見解を見聞きしに行ったり、普段必要ないものでもいろいろ情報蓄積したり、今までなんとも思わずやっていたことを改めてみたり。工事終わってから納得して住んでもらえるようにする。それって大切だなと。うまく着地点見つけられるよう一緒に取り組むのが、ことのほかリフォームだなと。
あ、まだまだ終わらないので気をぬかないようにしないと。